作品名

目黒雅叙園 和室宴会場

設計

日建設計 , アトリエM

受賞

1992 IES/Award of Merit

所在地

東京 関東地方

竣工

1991年

カテゴリ

ホテル・宿泊施設

概要

旧目黒雅叙園は、美術品をふんだんに取り入れた絢爛豪華なインテリアから、「昭和の龍宮城」と呼ばれ、東京名所の一つになっていた。今回の全面的な改築計画では、ホテル・バンケット棟の中に、昔の部屋を完全な形で復元した和宴会場がつくられた。改築以前は照明が暗く重苦しい雰囲気だった事から、照明設備は全て新しくデザインしたものが使われた。

照明設計にあたっては、(1) 美術品を効果的に見せる華やかな和風空間の演出、(2) 美術品の保護、の二つが大きなポイントとなった。天井や壁面の美術品への照明には、熱や紫外線をカットした出来るだけ小さい器具を使った。彩色木彫板には光ファイバーを使ったウォールウォッシャー、日本画にはフロスト加工した紫外線防止フィルター付ハロゲンランプのダウンライト、前面ガラス付ダイクロイック・ハロゲンランプのスポットライトと、フラットな光と陰影を見せる光とを美術品に応じて使い分けた。

天井が美術品で覆われているために埋め込み器具を取りつけられない部屋には、特別な吊り下げ灯をデザインした。天井へのアップライト、壁へのスポットライト、テーブル面へのダウンライトの三つの機能と装飾性を兼ね備えた器具である。

新しい目黒雅叙園は、華やかな雰囲気の中で美術品を効果的に見せる光の全てを満足させることに成功し、再び東京名所の一つによみがえった。