作品名

川口西公園「光のプリズム」

設計

近田玲子デザイン事務所, T.I.S & パートナーズ

受賞

1994 IES/Award of Merit

所在地

埼玉 関東地方

竣工

1993年

カテゴリ

公園・広場

概要

JR川口駅前に完成した「光のプリズム」は、人工地盤上の広場から駐輪場に下りる階段とエレベーターシャフトを覆う雨よけ施設である。

広場ができた当初からきちんとした施設をつくる予定であったが、周囲の景観になじむデザインがなかなか決まらず、長い間仮設のまま放置されていた。早朝から深夜まで利用されること、夜間の広場景観の中心的存在となることから、川口市は照明デザイナーに設計を依頼し、彫刻的な光のモニュメントの誕生となった。

外形は広場に面した高層ビルのデザインや四角錐の駐輪場トップライトを意識して幾何学的な形態とした。高さ4.3mのエレベーターシャフトを覆うため内部に柱はたてず、1辺7.2mの立方体を傾けて全体で8.3mの高さとした。以前の雨よけ施設はこれより小さいが、不透明な外観のため重く見えていた。そこで、クリアガラスと張力トラスを使って透明感を強調し、ボリュームを感じさせないようにしている。

照明は「内部からもれるあかり」を基本とし、構造体を照らすことによって柔らかな光が階段室と広場の両方を照らすようにした。使用光源は12V75Wのクリアー・ハロゲンランプと、12V50Wの青と赤のカラー・ダイクロイック・ハロゲンランプ。明るい銀色に仕上げられた鉄骨フレーム、張力トラス、ステンレスワイヤーにあたった光は、ガラスに映り込んで無限の広がりを見せる。

毎正時には、光がプリズムのように青から赤にゆっくりと変化して時間を知らせる。夜が更けるに従って光の量は徐々に少なくなっていき、午前零時に消灯する。