作品名

ヨコハマ・ポートサイド 屋外照明

設計

横浜市都市計画局

受賞

1995 IES/Award of Merit

所在地

神奈川 関東地方

竣工

1994年

カテゴリ

都市計画・景観

概要

ヨコハマ・ポートサイド地区は横浜駅東口に広がる約25haのオフィス、住宅、商業施設混在の新しい街である。従来、行政が手がける屋外照明は道路や公園などの公共部分に限られ、結果としてポール灯を設置するだけに終わっていた。

しかし、都市照明と言う面から見ると、むしろ民間施設の光の方が全体の光景観に大きく関わっている。そこでヨコハマ・ポートサイド地区では、自治体と地権者が一緒になって街づくりを考える組織をつくり、道路や民間施設が一体となった屋外照明計画を行った。

4haの中央ゾーンでは、商店街のアーケード照明、広場を覆う人工地盤の照明、店舗の軒下部分の照明、シースルーの建物の内部照明など、歩道や広場につながる民間施設の照明を街全体の屋外照明計画に組み込み、光源、明るさの強弱、点灯時間を設計した。

街の中央を貫く都市計画道路には、車道用の照明ポールの他に両側の建物に壁付けの歩道照明を設置した。道路がすっきりする、建物上部の住宅に光が入らなくなる、壁に反射した光が歩行者に視覚的な明るさ感を与える、壁面の光のアクセントが店舗に賑わいを与えるなど、壁付け歩道照明には多くの利点がある。

維持管理費、電気代は建物側で負担することになるが、質の高い街づくりを考えるうえで必要な照明であると民間施設側に認められ、街全体のプール金でまかなう仕組みがつくられた。その他、超高層住宅棟の頭頂部のライトアップの設置など、民間施設にも積極的に協力を依頼して街全体の魅力的な夜間景観づくりが実現した。