作品名

明治薬科大学新校舎

設計

久米設計

受賞

所在地

東京 関東地方

竣工

1998年

カテゴリ

文教施設

概要

明治薬科大学は、都心に分散しているキャンパス群の統一を図り、武蔵野の面影が残る郊外へ移転した。周囲の閑静な環境を考えると、キャンパスの光は外部に発散することなく、内部で収束するべきだと考えた。また、十分な照度、ローコストといった学校に求められる機能性の確保を前提に、杜に溶け込む光を計画した。

正門からライトアップされた欅の光のトンネルを抜けるとAccess Mall 1に続く。Access Mall 1の光は方向性を持ち、下校時にはそのボリュームによって帰路へ導かれる。周囲を細かい光で縁取られた広場から各校舎へと導線が別れる。

Access Galleryは管理棟、研究棟、講義棟への通路で、掲示板へのウォールウォッシャーと外観を印象づける列柱のライトアップによって照度を得ている。Access Galleryと垂直に直交する白い光の箱は階段室である。光源に4,200Kを用いることで、全体の主光源である3,000Kの空間にアクセントをつけている。講義棟の廊下は休憩スペースになっており、天井、壁面、柱面の間接光によって落ち着きのある空間としている。

食堂はAccess Mall 2に面して円弧状に広がっている。L型に彫り込まれたスリットにコンパクト蛍光灯のダウンライト、その他の設備機器を収め、すっきりした天井面としている。L型に浮かび上がる光の連続は円弧に向かって広がり、奥行感を作っている。

体育館棟に抜けるAccess Mall 2の水平面照度は低いが、両鉛直面が明るいため気持ちの良い空間になっている。